高く感じるクルマは売れない

世の中、明確なデフレである。物価やサービス対価は、内容の見直しこそ伴っているけれど、安くなっていく。そんな中、クル
マだけ値上げの方向。もう少し正確に書くと、装備内容まで考えるなら安くなっているかもしれないが、絶対的な金額からして高い。そして割高感のあるクルマは基本的に売れてません。

好例がスズキ・スイフト。メディアの評価を見ると絶賛に近い。なのに売れ行きが伸び悩んでしまってます。先代は
「もしかするとベスト10入りか?」みたいな順位だったが、新型になって厳しい感じ。なぜか? 私は「販売台数伸びなければ装備を落としていいから安価なプライスタッグを付ければ良い」と書いた。

自動車メーカーに価格の話をすると、一応に「ネダンで勝負したくない」とか「安売り合戦に巻き込まれたくない」と言う。その流れで「走りの質感を追求しました」とか「走る楽しさをアピールしたい」。ホンキで走りの良いクルマを作れば多少高くても売れると信じているらしい。こらもう世の中の流れと逆です。

考えて欲しい。今や日本で走る楽しさを味わえるような社会環境など無し! 
40km/h以上の速度違反で捕まったらクビになってしまう自動車メーカーすらある。制限速度40km/hの首都高を80km/hで走ったらアウト。ワインディングロードも2速吹けきったらクビの速度域。

私のような仕事をしていても同じ。今や高い速度域での挙動チェックなどテストコース以
外じゃ出来ないし、やっても意味無し。そもそもユーザーがそこまで要求しておらず。100歩譲って限界領域を気にするユーザーは(元気よく走る、という意味です)、とっくに輸入車を買っていることだろう。

何がいいたいのか? そろそろムダな性能の追求など止めて、価格を下げるべきだと思う。そして「走る楽しさ」を味わえる速度域を大幅に引き下げたらいい。走る楽しさと言えば、これまで「アクセル全開領域や、タイヤが鳴り始めるくらいの速度域」。そいつを日常領域にするワケです。

ちなみに私が飽きずにプリウスを乗り続けているのは、止まっているときと低速領域のパラメーターが非常に多いからに他ならない。単純に考えてエンジン+モーターだから、2つの面白さを持つ。レシプロエンジンでそういった新しい価値観の「楽しさ」を作り出したら面白いんじゃなかろうか。

価格は装備を落としていいから安くすべき。「消費が落ち込んでいるときは安く作る技術を追求する」というのが経済の大原則です。今後も「高いな」と感じるクルマは伸び悩む。装備や内容が良くても同じ。レクサスCT200hは良いクルマだと思うけれど、販売台数で厳しいと予測しておく。

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11 Responses to “高く感じるクルマは売れない”

  1. かず より:

    レクサスCT…
    レクサス店に来場する方々の雰囲気が、今までの場合と違うそうです。
    そして今回一番違うのは、来場から契約までが直ぐではないとの事です。
    確かにイマイチの売り上げのレクサスで暇な時が多いそうですが、
    来場イコール契約のパターンが即ち買う気満々の一発サインが、パターンだったそうです。
    CTだと値引きはとかサービスはとか、聞かれるケースが多くなかなか競合というか、契約への道のりが他のレクサス車のお客さんと違うので、逆にトヨタディーラーの乗りになりそうで〜すって、知り合いが言ってました。
    レクサス店は、人生で1回しか行ったことありませんが。
    価格イコール客層がはっきりするなんて、同じ高級にも色々あるんですね。
    p(´⌒`q)
    宝くじあたったら、
    レクサス店行ってみたいなぁ〜で、ございます。

  2. samine より:

    トバさないとツマラナイ車が多くて困りますね[E:despair]しかも世の中の新車は普通に走らせるだけでも疲労感が大きい車が殆ど。単なる労働です[E:shock]
    特に軽自動車は100万円以上もするのに1時間も運転すると疲れる車ばかり。装備云々では到底正当化できない程、日本の車は高すぎると思います[E:angry]

  3. kumojyakii より:

    同感です。
    十数年前、バブル崩壊後に販売台数が大激減したのをうけ、各メーカーが販売促進・シェア拡大の戦略として、競って値引き戦争をしていた時期がありました。
    大幅な赤字になっても、登録ベースのシェアでテリトリー内トップを確保すれば、"報奨金"という名目でその販社の赤字を補填していたメーカーもあったと聞きました。
    その頃はそれこそ、1〜2年落ちの中古車相場の価格で新車をバラまいていました。
    そのときの赤字取り戻そうとしているかのような値上げのしかたです。くわえて、セールスマンには値引きの裁量は与えられおらず、あくまで定価販売を強要。値引きには一切応じるな、値引き交渉してきたら引き下がって来い。と。
    ユーザー側の自動車に対する価値観は、ひと昔前とは随分違います。
    官僚組織然とし、惰性や慣習を無条件に最良とするある意味日本的な自動車メーカーでは、それに気付かず苦しい状態が続くのでは。

  4. 小林 英弘 より:

    そうですね。全く同感です。今日、私の勤務先の市立図書館の駐車場にまさかまさかのレクサスIS-F!が停まってたのでしばし見惚れてしまいましたが、「排気量5リットルって自動車税いくらするんだろう?」とか思い始めると急に興奮も冷めてしまいました。「今や日本で走る楽しさを味わえるような社会環境など無し!」て本当ですよね〜私も片側3車線の常に80km/hで流れてるバイパスで40km/h超過で(そこだけなぜか40km/h制限区間になってました)一発免停になりましたから。
    国沢さんのいう「走る楽しさと言えば、これまで「アクセル全開領域や、タイヤが鳴り始めるくらいの速度域」」って、今やNAの軽四バンくらいしかありません。確かに「走る楽しさ」でいえばウチのキャブ仕様の年式不明(笑)の公用車の軽四バンは最高です! …1速全開!2速全開!3速全開!で4速に入れつつスピードメーターを見ると60km/h(爆笑)。確かに中古トルネオ君を購入する際に数ある選択肢から「ATで2リットルのSiR」を選んだのも、「仕事でMTに乗ってるから仕事帰りにまでMTじゃ仕事気分が抜けないし、正直、仕事で疲れて家に帰る時にMTはカンベンして〜だし。1.8と2リットルじゃトルクもエアコンの効き具合も2リットルの方が上だろうしな〜」が主な理由でした。その程度の希望を満たしてくれるのなら程度のいい中古車で十分だろうと、最初から新車購入は頭にありませんでしたね〜やっぱり今の新車価格はハードルが高いです。ホンダ車に限った話ですが。

  5. 真鍋清 より:

    小生自身も愛車ヴィッツ1300/83810km走行で街中を走っていると加速したとたんに目の前に自転車が現れ、時速10km/hの「赤旗条例」状態に遭遇―これではどんなポルシェも日産GT-Rも宝の持ち腐れに過ぎず、日本の交通モードでは自転車が一番偉いのか?ということになってしまいかねない。
    世の中理不尽だらけ―消費税問題、尖閣諸島問題からフェイスブック普及に伴うプライバシー概念の倫理問題まで―とはいえ、自転車通行帯が全く作られず、車道を我が物顔に走ってしまう原因を作った行政の貧困こそ日常生活の中で「体で体感する」身近な不合理といえよう。クルマをクルマらしく迅速に安全に走らせることが困難なこの国の環境にあっては、「高性能とはいったいどうあるべきか」の議論が今後沸き起ころう。
    そのためには、必要以上のハイテクやパワーではなく、よりシンプルな構造でエンジンの生きた鼓動を味わえる工夫と努力が必須に違いなかろう。「あっと驚く79万円」なんてのが二世代前のスズキスイフトに存在した。ところがその末裔ときたら「欧州仕込みのシャーシー/ブレーキ/一次安全性」を得たのと引き換えに価格アップしてしまい、「安くて良い物」というのは結局夢物語に過ぎないのでは?とも思えるのが正直な所だ。
    となると、軽量化+アイドルストップを徹底重視したダイハツイース(軽自動車)のデビューを待ち望むしかないのだろうか。このイースが当たれば、スズキを始め軽セダン分野に多くのフォロワーが生まれ、それがやがては巷間噂される2気筒800cc搭載のトヨタの新Aセグメントカーや、ダイハツ自身の2気筒直噴のコペン後継軽2シーターなど新コンセプトのシティコミューターの開花の下地を作ることになろう。アイドルストップと低燃費の徹底追求は、日常生活レベルでのメカの鼓動を掌にとって味わえる要因にもなるわけで、それは人の心に等身大故の心の豊かさをもたらすことにもつながり、小排気量分野の直噴機構の徹底研究共々「日本の風土にあったエンジニアリング」のコンペが期待できる。
    三菱ミニカ・ライラなど、58万円で売りだされてからというもの「シンプルなメカはヒトにどんな幸福をもたらすか」について一定の示唆を行っていよう。ただいかんせん、ミニカそれ自体が老朽化しており、性能面で到底今日のレベルにはないのは障害であるからには三菱と日産の接近にともなってどのような軽自動車の共同開発が展開されるか、既存のiやi-MIEVがどんな具合にブラッシュアップされるか大いに見物ではあろう。そしてスズキ・スイフト、こちらは86万円ぐらいのマニュアル仕様と90万円の4速ATを設けてもらいたいと思うが果たして荒唐無稽な考えだろうか?

  6. ゲイン より:

    ドイツ車は高級車の代名詞的存在で、ユーロ安だろうと高めのプライスです。ボッタクリだと私は感じるのですが、購入層からみるとまるで問題ないのだと思います。
    その層を狙ったのがレクサスだとすると、舶来ブランド財布を欲しがる客に勝手に作った値段の高い日本製財布を売り込もうとしてるように見えます。日本車NGの客に日本車売るのは困難ではないかと感じてしまいます。
    ちょっと昔日本がとても豊かだった時、トヨタはクラウンじゃ物足りないという贅沢な客の為にセルシオという傑作を世に送り出しました。高いけど安いと思わせる完成度でした。
    今でもセルシオ廃してまでレクサスブランド立ち上げる意味があったのか疑問です。だいたい大きな市ならトヨタ店は一つありますけど、レクサス店は県に一つで不便ですしクラウンユーザーにとってもレクサスの存在は面白くないと思います。
    ドイツ車ユーザーから相手にされず、トヨタ車のユーザーから高いと思われるレクサスって何なんでしょうね。好調トヨタにあって最大の謎です。CT200hには興味ありますけど、これから先の車購入に際してCT200hと比較しての乗り味の情報が欲しいだけです。試乗するのに片道80キロは面倒ですし、それやる人間はセレブじゃないですね。

  7. あーさん より:

    今の自動車メーカーに夢が無いのでしょうか。
    昔は大衆車を作りたい、世界に追いつきたいと夢を持っていましたが
    その夢が叶えられたら、夢を失ったと思います。
    今の自動車メーカーは、メーカーの都合で車を作っているように感じます。
    安い車を作り、世界の人を幸せにしたいとか
    速度が遅いほど楽しい車を作りたいとか(事故の低減になる)
    レクサスの品質をカローラの値段で作りたいとか
    自動車メーカーは考えてもらいたいです。
    そんな事、実現できるわけないと自動車メーカーは言うかもしれませんが
    常識の延長線でしか車作りが出来ないのでは、韓国、中国メーカーに追い越されてしまいます。
    今は実現できなくても高い志しをもって世界の人が幸せになる車を作ってほしいです。

  8. 自由人 より:

    初投稿です。
    僕が思うに例外はホンダ・フリードかな?と思います。
    初めは1500ccにしては高いと思ったけど…
    買った今はすごく満足してます。
    買った後の満足度の良し悪しで価値観って変わってくるもんですね。

  9. 那須与一 より:

    ジューク1.5FFオーナーです。雪国なのでVDCがあれば安心ですが、無くとも大丈夫です。(そんな運転しませんから)
    が…. 、
    発売当初、軽並み価格のジューク1.5に対して、ほぼ自動車評論家の方々は、VDCが付いてないからとダメと批判してました。
    VDCが無くとも169万&189万で発売した日産に拍手を送りたいです。の結果は…。国沢先生もご存知の通り(笑)
    確かにスイフトはいいクルマです。けど先代と同じデザインであの価格?
    "高く感じるクルマは売れない"
    ジュークは、400万代のミニクロスオーバーのライバルですが、170万スタートです。
    確かに安く感じます。
    もし欧州仕様のように完全武装で、VDC付けて200万オーバーだったら?

  10. jun より:

    衝突安全性を妥協すればコンディションの良いお買い得中古車が選び放題なのも、難しくしているのでしょうか?
    各メーカーは近い将来襲来するであろう輸入格安車との「武器」として、安価モデルは使いたくないのでしょうが、「素」モデル投入は、若者の車離れを引き止める一手としても、面白いとは思います。
    メーカーがメディアを利用して啓蒙しようとしていますが…お手ごろ「素」モデルを若者に放り投げ、後は彼らの好きなように任せるのが、将来の販売にはつながるようにも感じています。
    次期86は、トヨタがアフターマーケットにも意欲的に取り組むようですが、余計なお世話かと。逆に、若者ユーザーを白けさせる可能性すらあるのではないでしょうか。
    「走る楽しさ」を味わえる速度域を下げる>このお話を読んで、思い出したのが1世代前までのイタリア大衆車です。都内で普通に走るだけで素直に楽しめるエンジンフィールやステア&ブレーキフィール、サウンドは自慰行為的ではありますが、今の時代にマッチするかと思います。ただ、セッティングが省燃費と相反するのかも。

  11. もうすぐ50 より:

    まったくもって同感です。
    以前にも、書き込ませていただきましたが
    ほとんど大部分の人にとってクルマは移動のツールです。
    自動車雑誌を講読する(含自分)ごく一部の人は、まだ悪い夢を見ているだけのように思います。
    人や荷物を運ぶ効率とコストとデザイン以外になかなか目が行かなくなるのも当然です。
    昔、デルタEvoⅡとかアルピーヌA610等趣味性の高いクルマを駆っていた自分ですら、そう思います。
    あと不思議なのは、自分でお店をしてほとんど売れない商品を、利益度外視で売り続けるっていえる方はどれくらいいるのでしょうか?
    ほとんど売れないMTの車を作り続けるってそういうことですよ!
    最近自分勝手な意見を見ると、少し気分が悪くなります。
    真空管アンプファンやLPレコードファンはもう少し物分りがいいですよ。
    すみません、ちょっと感情的になり過ぎました。

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